日本時間学会会員の皆様には、ますますご清祥のことと存じます。
改めまして、2023年度の日本時間学会(JSTS)第15回大会にはたくさんの方々にご参加いただき、誠にありがとうございました。今回は開催について記録し、ご報告いたします。
※本レポートの作成にあたり、発表者および新理事の皆様よりコメントを頂戴いたしました。ご協力をいただき有難うございました。
日本時間学会(JSTS)第15回大会
会期:2023年7月1日(土)~2日(日)
(2023年7月2日(日)~7日(金)/国際時間学会(ISTS)第18回大会との連続開催)
会場:山口大学 吉田キャンパス大学会館(山口市吉田1677-1)
主催:国際時間学会(ISST)
日本時間学会(JSTS)
山口大学時間学研究所(RITS)
協賛:株式会社セイコーグループ(SEIKO)
シチズン時計株式会社(CITIZEN)
カシオ計算機株式会社(CASIO)
株式会社日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)
日本時間学会(JSTS)第15回大会 大会概要
会場:山口大学 大学会館2階 大講義室
【第1日目】7月1日(土)10:00~16:30
セッションI
座長:寺尾雅彦
発表1
「就寝から入眠までの『時間』;主観的睡眠潜時と客観的主観的睡眠状態との関係性」
小山恵美/京都工芸繊維大学 名誉教授
和田侑奈/京都工芸繊維大学、(株)ロマンス小杉
松本真希/京都工芸繊維大学、現:トヨタ紡織(株)
発表者、小山恵美先生
約20年にわたり正常睡眠の計測評価を実施してきましたが、2023年3月、定年により生理環境工学研究室を閉じました。まとまった人数の睡眠計測として最後に記録したデータを再解析し、「主観的睡眠潜時(起床時評価)」について、今回発表しました。ヒトの睡眠研究について、やり残した感はありますが、今後は歴史や文化的な側面からの探求を細々と続けたいと考えています。
発表2
「脳波における位相同期度のゆらぎと認知能力との相関関係が高い脳部位を選定する手法」
長 篤志/山口大学大学工学部
前田宏樹/同上
西藤聖二/同上
発表者、長 篤志先生
発表3「高齢者の主観的時間と認知機能領域の関連 ―簡易認知機能検査(MoCA-J)を用いた検討―」
山城大地/東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加とヘルシーエイジング研究チーム
高橋佳史/同上
小川将/同上
佐藤研一郎/同上
長大介/同上、青山学院大学 教育人間科学部
古谷友希/同上
李岩/同上
土谷利仁/同上
高橋知也/同上
鈴木宏幸/同上
発表者、山城大地先生
東京都健康長寿医療センター研究所の山城と申します。
時間学会では様々な学問領域の視点から研究結果についてディスカッションをさせていただけるため、今回の発表でも、とても刺激となりました。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
発表4「タイピングゲームを用いたフロー体験の成立基礎についての要因分析的検討」
一川 誠/千葉大学
高橋紀香/同上
発表者、一川 誠先生
セッションⅡ
座長:小山虎
発表5「時間=時代の文学としての見田宗介(真木悠介)『時間の比較社会学』」
梅村麦生/神戸大学大学院人文学研究科
発表者、梅村麦生先生
発表6「近代日本における未来の発見と終焉」
栗田香子/Pomona College
発表者、栗田香子先生
発表7「道元禅師の寺院における時間の計測・信号・行政」
Raji Steineck/チューリッヒ大学・山口大学
発表者、Raji Steineck先生
発表8 「THE MEXICAN CONNECTION:TOKUGAWA IEYASU’S CLOCK, 1580-1611 (NEW SOURCES)」
Ricardo Uribe/Freie Universität Berlin
発表者、Ricardo Uribe先生
【第2日目】7月2日(日)10:00~12:00
セッションⅢ
座長:小山恵美
発表9「古典籍に記録された岩木山の初冠雪日による気候復元の試み」
藤井秀太/大阪公立大学院農学研究科
青野靖之/同上
発表者、藤井秀太先生
初めて対面での発表の機会を頂き、非常に緊張してますが、良い発表ができるよう頑張ります。
発表10「平成・令和期に発生した豪雨の時間的・空間的特徴」
山本晴彦/山口大学農学部
発表者、山本晴彦先生
発表11「『システム開発技術』に関する時間学的考察」
長嶋洋一/静岡文化芸術大学
発表者、長嶋洋一先生
発表12「研究という個性的な営みの質の評価の困難に関わる一考察」
椿光之助/山口大学大学研究推進機構URA支援事務
発表者、椿光之助先生
今回は国際大会との連続開催ということもあり、海外からのご参加もありました。
発表者のRaji Steineck先生(写真上/チューリッヒ大学、国際時間学会 理事長)と、Ricardo Uribe先生(写真左/Freie Universität Berlin)。
開催にあたりお力添えをいただいたセイコーグループ株式会社様、シチズン時計株式会社様からもご参加をいただきました。
総会報告
日時:7月1日(土)13:30~14:30
場所:山口大学 大学会館 2階大講義室
議題
報告事項:以下の報告事項について承認された。
1、前回の総会報告
2、新入会員の承認および会員数(新入会員・退会員)に関する報告
3、令和4年度事業報告
4、学会誌の発行状況
5、令和4年度決算報告および会計監査報告
協議事項:以下の協議事項について一部修正のうえ承認された。
6、令和5年度事業計画
7、令和5年度予算案
8、会員増のための企画案 -会員研修会の復活(セイコーミュージアム銀座)
その他
1)新たな名誉会員の決定
植村恒一郎先生
辻正二先生
※第7条(名誉会員)・・・名誉会員は、時間学の領域において特に功労のあった者で理事会が推挙し、総会の承認を得た者とする。
辻正二先生へ、名誉会員証をお渡しする一川誠会長。
2)新たな理事の決定
栗田香子先生、青野靖之先生、岩崎秀雄先生、長 篤志先生の4名が、新たな理事として決定しました。
栗田香子/Pomona College
日本時間学会は、国際時間学会に参加しているグループの中で、最も充実した集まりであると思います。各々の研究の質の高さももちろんのこと、研究分野は多岐にわたり、日本各地からの参加者がおられます。比較的最近入会させていただきましたのに、今回理事のお役目を仰せつかり、少々戸惑っていますが、皆様とご一緒に活動できることを心から感謝しております。
青野靖之/大阪公立大学院農学研究科
大阪公立大学の青野です。これまで古記録・古日記に残された開花や紅葉などの起日を基に過去の気候推移を復元してきました。
学会の立上げの際にお手伝いしたことはありますが,このたび,日本時間学会の時事を拝命しました。お役に立てるかわかりませんが,よろしくお願いします。
岩崎秀雄/早稲田大学理工学術院
時間生物学や、生命と芸術の境界領域の研究・創作に従事しています。この学会は、本当に多様な時間の捉え方が議論されており、真にユニークなプラットフォームだと思います。微力ながら会のますますの興隆や発展に貢献できたらと思っております。よろしくお願いいたします。
長 篤志/山口大学大学工学部
理事に就任させていただきました長 篤志と申します.時間を巡るトピックの多様さと奥深さに惹かれて本学会に参加させていただいております.時間学の発展は沢山の人々の人生をより豊かにするものとして寄与できると考えます.少しでもお役に立てればと願っております.どうぞ,よろしくお願いいたします.
引き続き、日本時間学会を宜しくお願い申し上げます。